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「技能実習制度」の見直しは国際的視野で議論を

国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長を座長に労使の代表者や地方自治体の首長らで構成される政府の有識者会議は、4月10日、途上国への技能移転による国際貢献を目的とした「技能実習制度」の廃止と新たな「人材確保」に主眼を行く新制度の創設をめざす中間報告書の原案を提案した。

同会議は、少子高齢化で人手不足が深刻化するなか外国人技能実習生が貴重な労働力の担い手となっている実態をふまえ、4月中にも中間報告書をまとめ、今秋をめどに最終報告書を政府に提出し、政府は早ければ来年の通常同会に関連法案を提出する方針だ。


有識者会議が示した中間報告書の原案では、

①人材確保と人材育成を目的とし、②現在87職種の対象を介護や建設業など12職種の特定技能制度と一致させる、③転籍は従来よりも緩和する方向、④技能実習生の受け入れ先企業に対する監督などを行なう約3,500の監理団体を存続させるが、認定要件は厳格化する、としている。


総務省は、2022年(令和4年)10月1日時点での日本の総人口推計を、前年比75万人減の1億2,203万人で12年連続の減少で働き手の中心となる生産年齢人口(15~64歳)は前年比29万6,000人減少の7,420万8,000人であると発表した。


日本の労働人口は1995年(平成7年)の8,716万人をピークに減少しており、減少する働き手を補なってきたのが、外国人技能実習生で2022年(令和4年)時点でベトナム約18.2万人、インドネシア約3.9万人、中国約3.6万人、フィリピン約3万人など約32.8万人が就業している。2020年(令和2年)の日本の外国人労働者は172万人であり、その内、約20%を外国人技能実習生が占めている。


ちなみに、先進国の外国人労働者が占める比率は、アメリカ15.6%、ドイツ9.5%、フランス5.4%で日本は2.5%にすぎない。まさに、外国人材獲得競争はグローバル化しており、有識者会議の議論はそうした世界の現状を認識した上で行われるべきであろう。


また、厚労省の2023年(令和5年)3月末の調査では、有効求人倍率が、建設・躯体業で10.85倍、介護サービスで7.92倍、保育で7.10倍などとなっており、各業界では人材獲得が深刻さを増している。



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