連載コラム⑦介護コンサルタント高山善文「質問で最も多い『有料老人ホームの類型』について」

 筆者も最近、同世代の友人より老人ホームの選び方について聞かれることが多くなりました。質問で最も多いものは、「介護付き有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」そして「住宅型有料老人ホーム」の違いです。「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」は〝有料老人ホーム〞という名称からわかる通り、基になる法律は老人福祉法と介護保険法になります。老人福祉法では有料老人ホームの定義は、食事、介護、家事、健康管理のサービスの内、いずれか(複数も可)を提供している施設です。


 一方、「サービス付き高齢者向け住宅」は、「高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)」という法律に基づいたバリアフリーの賃貸住宅になります。賃貸住宅なので契約は「賃貸借契約」となります。つまり、同じように見えるこれらの住まいは、法律により「契約形態」と「介護サービスの提供形態」が異なるためしっかりと確認することが必要です。特に入居後利用する介護保険サービスについては、食事〜介護サービスまで包含している施設サービス型と、(実際は老人ホームにいながら)介護サービスを利用し、このサービスの提供回数によって支払い費用が増減する在宅サービス型があるので注意が必要です。


 老人ホーム選びは「入居前の見学」が重要です。入居までに比較的時間のある方は、是非最低2か所以上の老人ホーム見学をおすすめします。それらの老人ホームを見学することにより、比較が可能となります。新聞や広告などで気になるホームの情報をスクラップしておき、ホームにパンフレットや重要事項説明書の資料請求を行います。そして、興味のあるホームがあれば、必ず現地見学して、「月々にかかる費用の見積もり」「サービスの特徴」「退去になる場合の要件」など気になることを納得がいくまで質問します。


 また、サービスの特徴については、可能であれば介護を実際に行っている介護職員に質問できるかを聞いてみましょう。実際の介護を行っている職員からの話を聞くことで、入居した際の具体的なイメージがつかめるはずです。


 一方、今すぐにでも老人ホームへの入居を検討されている方は、専門家の力を借りて老人ホームを探すことも一案です。専門家とは、現在病院に入院している方ならば医療相談室のソーシャルワーカー、在宅であれば区市町村の介護保険窓口、地域包括支援センターなどのケアマネジャーとなります。



たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。


【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)、『図解即戦力 介護ビジネス業界の仕組みと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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