「技能実習制度」見直しは政府の移民政策見直しとセットで行うべき

各メディアは7月下旬、古川禎久法相(7月29日現在)が7月29日の閣議後の記者会見で「技能実習制度」について関係各省庁と見直しを議論する考えを示したと報道した。


「技能実習制度」は日本で就労が可能な在留資格の一つで発展途上国への技術移転を目的として29年前の1993年(平成5年)に始まった、建築業や食品製造業、介護など86職種が対象で、在留期間は最長で5年。その後、要件を満たせば、「特定技能」に移行してさらに延長して働くことができる。


法務省の調査で、国内で働く「技能実習生」は新型コロナウイルス前の2019年末には約41万人だったが、新型コロナウイルスの厳しい入国制限で大幅に減り、2021年末で約27万6千人。

制度上は、途上国の若者らに日本の技能・技術を学んでもらうことを理念とし、「技能実習生」は労働力需給の調整手段として行なわれてはならないと定められているが、人手不足が深刻な建設や農業、食品製造、介護などの職種では「技能実習生」受け入れの希望が強い。


一方、「技能実習生」は原則3年間は転職できない仕組みで人権侵害や賃金への不満から2021年度では7,167人が失踪。

また、違法ではないが、「技能実習生」が来日時に負担する費用が、出入国在留管理庁の実態調査で、平均54万円でほとんど借金であることなど問題提起されている。

今後、①実習生の日本語能力が不足し、意志疎通が困難、②不当に高額な借金を負って来日する実習生の存在、③技能実習生の保護と受け入れ企業の監督を行なう監理団体の相談・支援体制が不十分、④転職の在り方、などの論点をたたき台に、年内にも政府の関係閣僚会議の下の有識者会議で見直しの議論に着手するとしている。


しかしながら「技能実習生制度」の背景にはわが国の労働人口の減少に伴う労働力不足があることを忘れてはならない。わが国の労働人口は1995年(平成7年)の8,716万人をピークに2021年(令和3年)には6,860万人と16年間で1,856万人、21.3%も減少している。

先進各国でそれを補うのが、外国人労働者だが、2020年(令和2年)で日本の外国人労働者は172万人でわずか、2.5%にすぎない。


先進国では、アメリカ15.6%、ドイツ9.5%、イギリス5.8%、フランス5.4%と日本は圧倒的に少ない。

その理由は日本政府が移民を認めていないことにある。

「技能実習生制度」の見直し議論は、日本の「移民法」とセットでこそ行なうべきであろう。


記事カテゴリ
最新記事
アーカイブ