「H.C.R.2023」でサンワの可搬型階段昇降機に注目‼
去る9月27日~29日に東京ビッグサイトで開催された「第50回国際福祉機器展2023」で、介護保険レンタル対象の可搬型階段昇降機5機種を出展した株式会社サンワのブースに注目が集まった。
「H.C.R2023 第50回 国際福祉機器展2023」東京ビッグサイトにて
複数の階段をしつらえて、昇降機の乗り心地を体験できるサンワのブース
出展されたのは、狭い踊り場や螺旋階段にも対応可能なリフトアップタイプの「J-MAX」、「J-SEAT」と特殊設計のゴムクローラにより、階段途中でも安全に停車できるクローラタイプの「STAIR AID」、「STAIR CHAIR」、「UD-CHAIR」の5機種。いずれも、操作者への安全指導を徹底することを条件に認定された介護保険レンタル対象品だ。
リフトアップタイプのJ-MAXは、L型昇降フットとタイヤが交互に作動して、人が歩くように階段を昇り降りする機構。また、バランスを崩した時に、角度センサーが作動し、操作者に振動でお知らせする。万が一、階段下側に傾いた時にはセーフティーアームが作動し、前転倒を防止する(※注)。一方クローラタイプとは、キャタピラ状の特殊設計のゴムクローラが階段の段鼻を確実にグリップして階段昇降するタイプで、昇降スイッチから指を離せば電磁ブレーキの働きで階段上でも確実に停止するものだ。
(※注) 一部の階段形状・寸法等により作動しない場合があります。
いずれもポータブルタイプの階段昇降機なので、工事不要で導入後すぐに使用でき、建築申請も不要で法定点検の義務もない。これら製品は売上比率の30%が公共福祉や文化財保護を重視する北米や欧州を中心に海外にも輸出されている。同社では、国内のバリアフリーを推進する公共施設はもちろん、日々の段差によるストレスを解消する製品として、個人利用を希望する人にも柔軟に対応している。
天気がいい日は出掛けよう。「STAIR AID」(左)、「STAIR CHAIR」(右)
「J-MAX」(左)、「UD-CHAIR」(右)
1935年10月、農業用運搬車の製造・販売でスタートした同社は、以来、「運ぶ」をテーマに独創的新製品の開発を連発し、1977年には福祉用のクローラ式階段昇降機を開発。
それを境に非常用階段避難車「キャリダン」、車いす用階段避難車「チェアキャリダン」など、非常用・福祉用の階段昇降機に主力製品をシフトしてきた同社は、2021年、プレミアム市場上場のナブテスコ社よりリフトアップ式階段昇降機の生産・販売権を譲受。23年5月にはトライリンクス社の仕様の異なるクローラ式階段昇降機の販売総代理店となった。
同社の美澤暁彦社長は、「これにより、『階段昇降機のことならサンワに』という体制が整ったわけで、今回のイベント出展を機に、より幅広いニーズにお応えし、操作者や使用環境に応じた最適な提案をさせていただきたい」と、意欲を話している。
[会社データ]
株式会社サンワ
本社=埼玉県狭山市根岸571
℡=04-2954-5511
創業=1935年10月
資本金=4200万円
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