有料老人ホーム1人で4人介護に疑問の声

12月21日付の日本経済新聞が朝刊のトップニュースでとり上げた政府の規制改革推進会議の医療・介護作業部会が提起した3人で1人の職員を配置する有料老人ホームの基準を見直し、1人で4人に対応できるようにする案に介護現場で大きな波紋を呼んでいる。


かねて厚労省は介護職員は2025年度までに約32万人、2040年度までに約69万人の増員が必要となると発表していたが、直近3年間の増員数は年平均3.7万人にとどまっており、2025年度の時点では約10万人の不足が生じることになる。


2020年で全国の有料老人ホームは56万床で約19万人の介護職員が従事していると推計されるが、今回の政府案だと14万人で足る計算となる。


政府案では、入居者の見守りセンサーなどIT(情報技術)の活用で現場の負担を増すことなく介護現場の生産性を高めることで1人で4人対応できるよう規制改革を行なうとしているが、実際の介護現場では介護の質を落とすことになりかねないと疑問視する声も多くある。


首都圏や福島県で16ヵ所の有料老人ホームを展開して21年になる中堅の有料老人ホーム経営の株式会社ジョイライフ(本社・東京都千代田区)の西村亮二社長は「現状でも入居者の要望に添うために2.5人体制で臨んでいる。ITの活用にも取り組んでいるが、かえって人手がかかることもあり、4人体制は無理がある」と疑問をなげかけている。

(画像はイメージです)


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