連載コラム⑧介護コンサルタント高山善文「高齢者ホームを選ぶ際のポイント」

 今年は3年ぶりのお盆休みの帰省が可能となり、親子で話す機会があった方も多かったと思います。子どもから見れば、久しぶりに親に会った時に加齢を伴う変化に戸惑うことが多いのではないでしょうか。親に病気や事故があった場合、自宅で暮らし続けることに不安を感じる場合が出てきます。このような親の介護に関わる不安を感じたら、高齢期の「住み替え」を考えてみてはいかがでしょうか。


 ただ、住み替えと言ってもいきなり住み慣れたところを離れ、ホームに入居することではなく、いざというときのために今から緩やかに情報収集や見学をして準備をするということです。

 高齢期の住み替えの対象先となる高齢者ホームには、「元気なうちから入居できるホーム」や、「介護が必要になってから入居できるホーム」など選択肢が増えています。元気なうちから入居できるホームでは、運動や趣味など健康寿命を延ばすためのプログラム等を充実させているホームもあります。


 高齢者ホーム選びのポイントは「入居前の見学」と「体験入居」です。入居までに比較的時間のある方は、最低2か所以上の高齢者ホームの見学と体験入居をおすすめします。


 見学するホームの選び方は、検討するエリアの中で一番入居費用の高いホームと、手ごろな価格である高齢者ホームの比較が良いと思います。ホームを比較することにより、費用の違い・建物の雰囲気・他に入居している方々や、働く職員の比較ができるからです。そして「体験入居」は、見学だけではわからない情報を得ることができます。

 例えば、職員の入居者とのかかわり、入居している方同士のやり取りなどを見て、雰囲気を感じることができます。高齢期の住み替えで重要なことは、家族ではなく入居者自身が納得できることです。


 一方、今すぐにでも高齢者ホームへの入居を検討されている方は、専門家の力を借りることが近道です。病院に入院している方ならば「ソーシャルワーカー」、在宅であれば区市町村の「地域包括支援センター」に相談してみましょう。その際、家族は新聞広告やインターネットなどで気になるホームの情報を集めておくと良いでしょう。興味のあるホームがあれば、直接ホームを訪れ、窓口で資料を請求してみましょう。普段の対応や雰囲気がつかめるはずです。

 少しでも親の不安を感じたならば、早めの高齢期の住み替えという選択を考えてみてはいかがでしょうか。


たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。


【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)、『図解即戦力 介護ビジネス業界の仕組みと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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