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連載コラム①介護コンサルタント、高山善文の「知っておきたい高齢者ホーム選びのポイント」

 高齢期の住まいへの「備え」は、金銭面・体力面などに余裕のある早い段階から検討することが重要です。

 近い将来、高齢者ホームへの住替えを考えている方は、元気なうちに親類・友人らと見学しておくと、「いざというときの備え」に繋がります。その際複数の高齢者ホームを見学することによって、自分に合うホームを選ぶことができます。


 高齢者ホームには様々な種類があります。社会福祉法人や医療法人等が運営する介護保険施設は、介護保険による要介護度が原則3以上でないと入所できません。

 一方、介護が必要なくても入居できるホームには、株式会社などの民間法人が運営する「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」があります。


 それらは、夫婦部屋を備えていたり、生活リズムに合わせた食事時間を選ぶことができたりと、入居者のニーズによって選択できる項目が多いことも特長です。

 また、費用面においても、入居一時金が不用なホームや、年金受給額の範囲内で入居できるホームも登場しています。


 入居希望者にとって、一番関心のあることは「毎月かかる費用」でしょう。

 「毎月かかる費用」に関しては、ホームの重要事項説明書に記載があります。しかし、ホームでかかる費用は入居者の要望するサービスによって異なる場合があります。


 例えば介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームであれば、重要事項説明書の別紙に「介護サービスの一覧表」という、オプション料金の記載があります。

 この別紙を基に、実際にかかる1ヶ月の費用例を作成してもらいましょう。そして、「重要事項説明書」を比べてみましょう。


 契約書・重要事項説明書については、内容をすべて理解するのは難しい場合もあります。もし、身近な方で相談できる方がいれば、事前に書類を確認してもらい、実際にホームに足を運んだ際に不明な点を先方に質問してみましょう。また、入居したあとで他の入居者との関係がうまく行かない場合に部屋や階の変更が可能か、可能であれば条件はどのようなものかも確認しておきたい項目です。



たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。

【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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