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連載コラム②介護コンサルタント、高山善文の「知っておきたい高齢者ホーム選びのポイント」

コロナ禍においての老人ホーム選び


 長引くコロナ禍によって老人ホーム選びにも大きな変化が見られています。老人ホーム選びは「入居前の見学」や「体験入居」が重要ですが、感染拡大防止のために見学時の人数や、居室の見学を制限し、応接室のみでの対応を行っているホームも数多くあります。今後、ワクチン接種が広がれば、こうした状況にも変化が見られていくと思いますが、現時点では各ホームの判断に任されているのが現状です。入居を急いでいる場合は、「空室の有無」「見学の可否」入居までの最短期間」などを事前に電話などで確認しておくことが必要です。


資料請求をしたら不明点や気になることを直接問合せてみる


 一方、すぐには住み替えしないものの、検討段階である方は、資料請求をすることから始めます。その際、大切なことは、住み替えが本人(利用者)にとって良いことかどうかをしっかりと考えることです。介護が必要な利用者であれば、本人に納得してもらうことが重要です。そして親戚やケアマネジャーなどの関係者にも事前に相談しておきましょう。資料を検討する際には、「入居条件」、「費用」はもちろんのこと、入居者の身体状況や慢性疾患、どのような場面において介護が必要か、生育歴や性格、好みからどのような生活を望んでいるかも事前に本人と話し合っておき、事前に不明な点は直接問い合わせることもホーム選びのポイントです。


老人ホームには介護付き、自立〜介護までの住み替え型がある


 老人ホームには様々な種類があり、入居条件や費用などが異なります。老人ホームの入居条件には、「介護保険の要介護度がなければ入居できないなどの条件がある」介護付きホームと、「自立の時に入居して、介護が必要になったら住み替える」住み替え型があります。費用は社会福祉法人などが運営する「公的施設」は安価なホームが多く、株式会社などが運営する「民間施設」では安価なものから高価なものまで予算にあったホームを選択できることも特徴です。


感染予防対策も確認して、施設見学可能であれば、時期を見て見学


 コロナ禍において、見学可能なホームがあれば、感染予防対策も確認しましょう。また、見学の際、料金の内訳、認知症になった場合の対応、看取り、そして契約をキャンセルする場合や退去する際の要件も聞いておきたいものです。コロナ禍では十分な時間をかけてホーム見学ができないことが想定されるため、聞きづらいことなどを予めメモにまとめて用意しておくことが大切です。



たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。

【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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