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連載コラム⑤介護コンサルタント高山善文「五感を使った老人ホームの選び方」

コロナ禍においての老人ホーム選び


長引くコロナ禍の中、医療・介護業界においても大変な年を迎えています。そして、老人ホーム選びにも大きな変化が見られています。


老人ホーム選びは「入居前の見学」や「体験入居」が重要ですが、感染拡大防止のために見学時の人数や、居室の見学を制限し、応接室のみでの対応を行っているホームもあります。入居を急いでいる場合は、「空室の有無」「見学の可否」「入居までの最短期間」などを事前に電話などで確認しておくことが重要です。


情報収集には様々な方法がある


一方、すぐには住み替えしないものの、検討段階である方は、事前の「情報収集」が大切です。情報収集で一番身近な窓口は、区市町村の介護保険窓口です。ただ、介護保険窓口は どちらかというと介護保険サービスの情報は豊富ですが、自立や要支援の方が入居する情報は少ないかもしれません。


区市町村以外での老人ホームの情報収集には、新聞やテレビ、雑誌などの情報、インターネットを使う方法などがあります。老人ホームを急いで探す必要がなければ、新聞や広告などで気になった情報をスクラップしておき、いざというときのための連絡用にしておきます。そして、必要な時が来たら直接問い合わせをする、介護保険を利用しているのであれば、担当のケアマネジャーに聞いてもらうこともできます。


見学時では五感を使い「感じる」ことが大切


老人ホームは、一度入居したら終の棲家となる場合もあります。まず、資料請求を行い、見学可能なホームがあれば、感染予防対策をしながら実際にホームを見学します。見学時に大切なことは五感を使い、「感じる」ことです。


視覚では、入居者同士のやりとりの様子、レクリエーションの様子、職員の入居者に対する関わり方などを観察します。


聴覚では、入居者の発する言葉、職員の言葉遣いなどがあります。

嗅覚ではホームに入った際の臭いです。特に臭いは働いている人にとっては慣れてしまうことが多いため、初めて見学した方が感じやすい部分です。


触覚は、床など転倒防止用に柔らかい素材が使われていたり、場所による寒暖の差などが感じられる部分がわかりやすいと思います。 味覚は、コロナ禍では難しいかもしれませんが、予約して費用を払うと食事を食べさせてくれるホームもあります。


いざというときに慌てないためにも情報収集を行い、可能な限り五感を使った見学を行うことをおすすめします。



たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。

【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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