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連載コラム⑥介護コンサルタント高山善文「高齢者ホームを選ぶ際に確認しておくこと」

高齢者ホーム選びは「入居前の見学」や「体験入居」が重要ですが、コロナ禍において多くの高齢者ホームでは施設見学を制限しています。感染経路の遮断という観点から見学時の人数や、居室の見学を制限し、応接室のみでの対応を行っているホームも増えています。高齢者ホームへの入居を検討中の方は関心があるホームに直接連絡をして「見学の可否」を事前に聞いておくことが必要です。


高齢者ホームには様々な種類があります。自治体や社会福祉法人が運営する「特別養護老人ホーム」は、原則、介護保険の要介護度3以上の方しか入所できません。一方、株式会社等が運営している「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」は、価格の様々、高級感があるところまで、自立できている方から要介護度の方まで入居できる幅広い選択肢があります。高齢者ホームへの入居を検討する際は、まず求めるサービスを明確にすることです。そしてそのホームの「特徴」を確認します。「特徴」とは、認知症ケアに力を入れているホーム、身体の衰えや脳卒中などの後遺症によるリハビリに力を入れているホームなどのことです。次に大切なことは「予算」です。年金の範囲で賄うのか、子どもが支援するのか、貯蓄を取り崩すのか等を見積もることが重要です。


 今すぐにでも高齢者ホームへの入居を検討されている方は、「空室の有無」や「費用」「入居条件(医療依存度など)」が優先事項となるため、自らホームに確認すると同時に、専門家の力を借りることもできます。専門家とは、現在病院に入院している方ならば医療相談室のソーシャルワーカー、在宅であれば区市町村の介護保険窓口、地域包括支援センターなどのケアマネジャーになります。


一方、高齢者ホームへの入居まで時間の余裕のある方は、新聞や広告などで気になるホームの情報をスクラップしておき、ホームにパンフレットや重要事項説明書の資料請求を行うと良いでしょう。


そして、興味のあるホームが見つかれば、必ず現地見学して、「月々にかかる費用の見積もり」「サービスの特徴」「退去になる場合の要件」など気になることを納得がいくまで質問します。また、サービスの特徴については、可能であれば介護を実際に行っている介護職員に話を聞かせてもらえるかを聞いてみましょう。実際の介護を行っている職員からの話を聞くことで、入居した際の具体的なイメージがつかめるはずです。


たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。

【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)、『図解即戦力 介護ビジネス業界の仕組みと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など。一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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